WOOD FRIENDER 24 デザイン


WOOD FRIENDER 24 は有限会社ACT金井亮浩氏 によりデザインされています


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・Akihiro Kanai photo:Kazusige Nakajima

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・CFD解析画像。

金井亮浩


金井氏は世界最高峰のヨットレース:アメリカズカップのニッポンチャレンジ、イギリスチームのGBR Challengeの主要メンバーとして設計開発に携わりプロダクション艇 VITTE 31、レース艇 GP 33 の設計開発と確実に高度な経験を進化させ続けている数少ない現役日本人デザイナーです。設計の科学的アプローチを得意とし、新しい技術や素材に順応できる柔軟な思考とヨットに対する非常な情熱を有します。

次世代のアメリカズカップ参戦等の国際レースに日本が参加する場合 間違いなく設計の第一人者になる人物です。そしてアメリカズカップボートの研究を進化し続けた最新バージョンがWOOD FRIENDER 24 なのです。

バランス


どこにも無いヨットの創造を模索していたころ 初めて金井氏に会った日に「次世代の木造艇としてレース艇、クルージング艇などという古い概念をを超えた ”良い艇”を創れないでしょうか?」と質問したところ 「”良い艇”というのはただ単に ”早い”とか”安定”しているというものではなく ”バランスの良い”というのが本当に風を楽しむことができる ”良い艇”だと思うんです。 セーリングを楽しむ人が一人でも増える艇を創りたいですね。」と静かに答えてくれました。

この言葉から WOOD FRIENDER 24 のプロジェクトがスタートしました。

レースに於いては微風から強風、全ての風域を抜群のバランスによりスピードに変化させ、クルージングや回航に於いては長時間にわたる波浪を優れたバランスにより優しく、温かく乗り切る。 これが WOOD FRIENDER 24 です。 


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・バランステスト中のWF24。

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・CFD解析。

CFD


小型艇(24ft)ではありますがWOOD FRIENDER 24 の設計には America'cup艇と同様の科学的アプローチを採用し、CFD(数値流体力学)によるシュミレーション、帆走性能を予測するVPPなどを実施しました。金井氏のこれまでに蓄積した船型開発ノウハウを活用し、極限までに抵抗の小さい船体、バランスの良い構造配置を実現しています。

趣のあるネオクラッシックな船体上部とは正反対に、CFDにより波のしずくの一滴までをシュミレーションして採用された造波抵抗の最も少ない最新曲面を水線下に装備しています。その形状に機能美が宿ります。

キール


抵抗が小さく、可能な限り重心の低いキール形状になっています。ここでもCFDをツールとして使用し、最適な形状を求めています。

キールストラットの製作には日本が誇る先端鋳造技術により毎回バージョンアップすることが可能なCNC(コンピュータ数値制御)マシンによる発砲型を使用し、鋳鉄にて製造されています。製品精度はATOS(非接触三次元測定機)で計測した上で寸法精度を確認し、図面との誤差±2mm以内としています。 この精度は最新鋭のレーシングヨットにも勝ります。


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・キールストラットATOS計測。

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・鉛バルブ。

バルブ


キールストラット先端には金井氏による最新バージョンの鉛製砲弾型バルブを採用しています。製造にはニッポンチャレンジのアメリカズカップ艇のバルブ製造に携わった鋳造所により製作されています。こちらもできるだけ重心をを低く下げる工夫がされています。

ラダー


キール&バルブと同様なアプローチで設計し、全体バランスが最適になるように配置されています。艇のあらゆる状況がラダーからティラーに高感度センサーのように伝達されます。
プロトタイプWOOD FRIENDER 24 には より軽量化を狙って開発されたカーボン製のラダーが採用されています。プロトタイプではカーボンの専門メーカーにより複数枚製作されました。標準装備には木製ラダーを用意しています。現在は軽量化と美しさを兼ね備えた WOOD&カーボンの複合材によるラダーを開発中です。


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・カーボン製ラダー。

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・サザンスパー製カーボンマスト。

マスト


マストはサザンスパー製のMelgess24のカーボンマストを採用しています。超軽量なマストのうえにオンデッキ起倒式となっていますので簡単に収納することができます。また、VQ工法による軽量&硬質の木製モノコック構造のためにFRP艇のようなタワミがないので狙い通りのマストセッティングを決めることができます。船体が柔かい方が良いと思われるかも知れませんが、実は、レースの世界では船体は”軽く&硬く”が微妙なマストセッティングに応えるスピードビルドの絶対条件なのです。

バウスプリット


Melgess 24 のセールプランに適合するように設計されています。ハイパフォーマンスを生み出す巨大なジェネカーのパワーを支えるためにマホバニーの積層材で構成されています。木目と積層の美しさを持ちつつカーボンに匹敵する強度を持っています。軽量化のオプションパーツとしてカーボン製のバウスプリットも用意しています。現在はWOOD&カーボンの複合材によるパーツを開発中です。


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・積層マホガニーのバウスプリット。

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・簡単収納できる船外機システム。

エンジン


エンジンは船内機のヤンマー2YMを搭載できるように設計されています。障害物への座礁時に衝撃からエンジンを守るように構造計算がされています。プロトタイプWOOD FRIENDER24にはセーリング時の水面下の抵抗をゼロにするために船外機YAMAHA F5A を搭載しています。船上で簡単に取付け&収納ができるように特別なシステムが考案されています。

構造


金井氏と共にアメリカズカップで一緒に設計を行っていた高橋太郎氏との構造部・強度計算の共同設計によりABS(American Bureus of Shipping)基準に適合したしっかりした構造でオフショア(外洋)にも十分耐えうる構造になっています。ハイパフォーマンスを実現するための軽量化と十分な安全性を両立させるために強度の必要な部分には木材の素材を変更したり、構造材の集中と分散、複雑な剛と柔の組み合わせなどにより視覚的にも美しく構成されています。量産品に多く見られる「見えるところは美しく、見えないところは簡略化する。」という考えとは真逆の「見えるところはシンプルに、見えないところに英知を結集させる。」という設計思想が見てとれます。単なる構造ではなく、日本の竹細工のような”構造美”にまで昇華させています。


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・外洋クルーザーにも見かけないキール回りの高強度コアブロック。

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・竹細工のような構造美。


高橋太郎


高橋氏はキャリアの早い段階から渡米し設計の腕を磨く一方、1974年のアメリカズカップ防衛艇候補「マリナー」の設計にも携わるなど特別な経験を積む数少ない日本人デザイナーです。帰国後は多くの艇の設計を行いながら1992年のアメリカズカップに向けて発足したニッポンチャレンジに参加。2000年の最終チャレンジまで設計チームの中心人物として活躍され2003年のイギリスGBR Challengeの、2007年のイタリヤ マスカルゾーネチームとアメリカズカップ畑を進まれてきました。日本ヨット設計界の重鎮です。

金井氏とはアメリカズカップで共に活躍されており GP33の設計には その卓越した構造と強度に関する設計の経験を惜しみなく発揮されています。WOOD FRIENDER 24にもその英知を結集して頂きました。 またユニークなシステムの船外機収納モジュールも氏の考案です。

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